熊谷桜を育てる会
指導する小山先生
熊谷桜は古く世に知られた桜で和歌などにも詠まれ、江戸時代の桜の書物「怡顔斉桜品」や「大和本草」にも名が出ていている貴重な桜です。早咲きの彼岸桜よりも少し早めに開花するので、一の谷の戦に熊谷二郎直実が平山武者所季重とがさきがけを争った故事にちなんで桜のさきがけという意味で名付けられています。宝暦2年の熊谷古絵図には石上寺境内に描かれ、「忍名所図絵」にも「石上寺境内に数樹あり花のころ美麗なり」と記されています。残念なことにこの桜は荒川の氾濫で流されてしまい、また幕末の混乱で多くの名物桜が失われたこともあって幻の桜となっていたのでした。私たちは熊谷桜を探していましたが、桜分類の権威川崎哲也氏の協力によりこの桜を見つけることができました。花の色は淡紅色で小輪八重咲きの美しい桜で、大木にならないので狭い庭や鉢植えで育てるのに適しています。現在では石上寺や中央公園などにあります。桜ファンクラブでは(財)日本花の会の協力を得て長年幻の桜となっていた熊谷桜の増殖に努めてまいりました。今月下記の通り(財)日本花の会より小山徹先生を講師にお迎えして、熊谷桜の接ぎ木講習会を行います。ぜひ皆さんも美しい熊谷桜の接ぎ木に挑戦して下さい。皆様のご参加をお待ち申し上げます。
熊谷桜を育てる会
日時 9月13日(日)午後1時30分より
場所 熊谷市緑化センター(中央公園内)
会費 2000円
参加申し込みアドレス unochiyo_sensyoku@yahoo.co.jp
佐野籐右衛門さん
佐野藤右衛門は天保3年創業の植藤造園の16代目です。佐野家は代々御室御所に仕え、植木職人として御室仁和寺の造園工事に携わり、家業の植木屋を継承し、明治より造園業を営んでいます。14代目より滅び行く桜を憂い、日本各地の名桜の保存に努めています。佐野家には現在約200種の桜が保存されています。
15代目が育てた円山公園の枝垂れ桜は祇園の夜桜として名高く、16代目も祇園枝垂れ桜の管理を続けています。
籐右衛門さんが育てた祇園枝垂れ桜の子桜が熊谷の中央公園に移植され18年が過ぎ、細かった幹は太くなり、立派な枝垂れ桜に成長しました。枝は囲いを大きく越え、管理をしている熊谷市ではこの度囲いを大きくする計画を立てています。工事に当たり籐右衛門さんから工事の方法について指導を受けました。
調査の結果、桜の根が枠を越えて伸びているため、工事にあたり周囲を掘り起こすときは根を傷めないように機械を使わず、人手で掘り起こすようにとアドバイスいただきました。
桜の果実
桜・桜・桜
早咲きの熊谷桜はもう葉桜ですが、暖かい陽気につられていろいろな桜が咲き出しています。
先ず、この桜はミレニアム植樹と言って西暦2000年にできた埼玉県縁の桜(清雲寺枝垂れ桜、蒲桜、など)の種を2001年に蒔いて発芽した桜です。友人たちで育て、埼玉国体に合わせ2004年に熊谷スポーツ文化公園に約50本植樹した仲間です。写真の親は北本市の蒲桜です。蒲桜は彼岸桜と山桜の雑種と言うことで、花は皆小さいものが多くそれぞれ個性的です。
少し遅れて咲き出したのは常光院の小久保清子さんからいただいた枝を挿し木にした桜です。染井吉野の雑種と言うことで花びらは少し大きめで、白く一重です。大島桜の特徴が強く出ているのでしょうか。
さらに数日して咲き出しました。これからの桜は志木市の深谷良男さんが育てていた桜です。
牛車で通った貴族が今見た桜は一重か八重かで言い争いになり引き返して確かめた所から、または後水尾天皇があまりの美しさに牛車を引き返したとも言われたところから、その名がついたと言われる「御車返し(みくるまがえし)」。花により花弁の数が5枚の花と6,7枚の花とがあるので、八重一重とも呼ばれています。大変あでやかな桜です。
志木市の長勝院にある山桜で旗弁が特徴の「長勝院旗桜(ちょうしょういんはたざくら)」。花だけでなく葉も綺麗なのが山桜の特徴です。写真では見づらいのですが、一番下の花に旗弁があります。山桜らしい清々しい桜です。
黄色の色が特徴の桜で最近は時々見かけるようになった「鬱金(うこん)」。満開です。満開を過ぎると、中心が赤みを帯びてきます。花びらは七から十数枚 あります。
記録では室町時代にその記述があると言われ、普賢菩薩が乗る象の牙のように2本の葉化した雌しべが特徴の「普賢象(ふげんぞう)」。数輪咲き出しました。花びらは20〜50枚 もあります。
最後は小山市郊外を流れる川から名付けられた「思川(おもいがわ)」、先日(財)日本花の会結城農場にでも見かけました。あでやかな桜です。花びらは10枚位の重弁です。
もう1種類の静桜(しずかさくら)はさらに3日ほどして咲き出しました。
静御前に因んで名付けられた桜で、栗橋町縁の桜です。
花弁は白く大きめで旗弁があり13,4枚あります。静御前らしく清楚な中に華やかさがあります。













